こんにちは、ゆうなぎです。
本日は「情報が多すぎて、何を信じればいいかわからなくなった時に何を考えるか」というテーマでお話ししたいと思います。
人はみな、誰にも邪魔されない”自分の感覚”を持っています。
しかし、現代は情報が溢れかえっていて、何でも調べられる、多くの決断を他者や意見や学び、経験を参考にした上で行えるようになりました。
これは、理にかなっています。その道に精通している人の意見を手軽に取り入れることができますから。
しかし、残念なことに、このせいで自分の感覚を頼りにする機会が減っているのです。
すると、増えるのは自分の選択に自信がない人です。
正直、今の世の中で自分の考えに絶対の自信をもって生きるって、相当難しいと思っていて、だから、別にあなたが悪いとかそういうことではありません。環境由来の問題です。
ただ、”自分の感覚”を真っすぐに信じることができたら、どれほど素晴らしいことか。
これを最近、非常に強く実感する出来事がありましたので、お話したいと思います。
何を信じればいいかわからなくなった時
具体例をお話しします
私は割と長い期間ダイエットに取り組んでいました。ダイエットは4年前に終了したのですが、ダイエットを終える際に「タンパク質をきちんと摂取することは体にいい」という考えを持って終了に至りました。
なぜタンパク質摂取でダイエットが完結したのかという詳細は、私の有料ノートに記載していますが、まあ実際にダイエットは終わったんですね。
タンパク質をしっかり摂取することは、自分の中で日常的に意識して実践していて、当たり前のことになっていました。もちろん、タンパク質だけを摂取すればいいというわけではありません。消化への負担や、肝臓、腎臓などの臓器への影響を指摘する意見があることも承知していました。ただ、そういった細かな問題点はあるものの、全体として見ればタンパク質はしっかり摂取した方がよい、というのが私の中での指針でした。
私は筋肉をつけて体力を向上させる目的でパーソナルトレーニングに行っているのですが、「タンパク質をしっかり摂りましょう」という考えはトレーニング業界でも一般的で、トレーナーからも推奨されていました。私がトレーニングを開始した時、自分の体型に見合った摂取カロリーや、炭水化物、タンパク質、脂質の具体的な数値を提示されたのですが、タンパク質多めの設定だったので、やはりタンパク質摂取は必要なことだと、お墨付きをもらった気持ちでした。
そして、この方針で4年ほど、身長156cm、体重47キロ台をキープできていて、長年悩んでいた体型の問題も解決できていたんです。
今まで信じてきたものが揺らいだ
ところが先日、そのパーソナルトレーナーが新たなメソッドを導入すると発表しました。
それは、マッサージのような施術と食事改善を組み合わせたもので、特に食事については、生野菜中心の食事へと大きく方針転換するというものでした。肉や魚などの動物性タンパク質は一切摂取せず、代わりに穀物の粉と野菜に含まれる植物性タンパク質で補うというメソッドなんです。
これでは確実に、今まで推奨されていたタンパク質量の3分の1か4分の1程度まで減ってしまいます。「この食事で大丈夫です」と言われても、今までタンパク質摂取を重視してきた方針と、あまりにも違う。全体的な摂取カロリーも減少しますし、私が指針としてきたタンパク質摂取の考え方が、大きく覆されるような内容だったんです。
私に直接その方法を実践するよう言われたわけではありませんが、この方針転換には何とも言えないもやもや感が残りました。今まで信じてきたものが揺らぐような感覚があって。
この話を聞いただけでは判断がつかず、その後、かなり調べてみました。日本語の文献だけでなく英語の資料も確認しましたが、トレーナーの新しい方針が100%正しいという確信は得られませんでした。もちろん、私というフィルターを通して検索している以上、まだタンパク質摂取を重視したい気持ちが働いているのかもしれません。
情報は日々アップデートされていく
このように、今まで信じていたことが実は正しくなかったかもしれないという状況は、よくあることなんです。当たり前とされていたものが、実は意味がなかったり、より良い方法が見つかったりすることは珍しくありません。
特に日本人は英語が得意ではない人が多いので、どうしても日本語の情報に依存しがちです。その結果、マスメディアからの情報に影響されやすい傾向があります。確かにインターネットの普及でだいぶ改善されましたが、それでも翻訳された文献には限りがあります。
今はAIによる翻訳ツールもありますから、自分で海外の情報を取りに行くこともできます。でも、基本的には日本語に翻訳された文献を読むことが多いため、偏った情報に触れやすく、また、今まで正しいとされてきた理論が新しい発見によって覆されることも少なくありません。
私の場合は幸いダイエットを終えていましたが、もし途中だったら相当混乱していたでしょう。実際、今でもタンパク質以外の栄養素や、食べ物の善し悪しについては、解釈が非常に難しく悩ましいものです。
例えば、最近では「牛乳は日本人の体に合わない」という説が出てきています。カゼインというタンパク質が日本人の体質に合わず、胃腸の調子を崩しやすいという指摘や、戦後のGHQ政策で学校給食に導入されるまで、日本には牛乳を飲む文化がなかったという歴史的背景も挙げられています。
小麦に関しても同様で、最近ではグルテンフリーが注目を集め、小麦のグルテンが日本人の体質に合わないという議論も出ています。
こうした様々な説が飛び交う中で、何を信じ、何を食べていけばいいのか。いくら調べても、最終的にはどの情報を信じるか、自分で判断しなければなりません。
最終的には自分で決めるしかない
そして、何を信じるべきか考えた時に私が到達したのは、「最終的には自分の感覚で決めるしかない」という、極めて当たり前の結論でした。自分の感覚を信じる、感覚を研ぎ澄ますということは、現代人が忘れがちな気がします。何でも簡単に調べられる時代だからこそ、自分で考え、感じる前に、まず情報に頼ってしまう。
入手した情報を自分の中で十分に咀嚼できているのかどうかも分からないまま使い始め、しっくりこなければまた新しい情報を探す。この繰り返しが、今の日本の状況なのではないでしょうか。
感覚のプリズム
ここから、やや抽象的な話をします
私たちの心の中には、「感覚のプリズム」という結晶が存在します。このプリズムに情報という光を通すと、それぞれの波長によって異なる形で分散していきます。このプリズムは一人一人が違うものを持っていて、情報をどう解釈し、どう行動に移すかは、結局のところ自分の心に従うしかないのです。
もちろん、その感覚に耳を澄ませる練習は必要です。また、プリズムは純度の高い、きれいな状態に保っておく必要があります。自分なりの、自分にとっての正解を見出せるよう、日頃から心がけることが大切です。
自分の選択に自信が持てない人は、自分の感覚のプリズムを信じられない傾向にあります。はじめから何でも自分の意見を持て、というのは難しいと思うので、最初は「この人の意見を信じてみよう」と決めることを、感覚優先でやってみて欲しい。それが間違っていたら軌道修正すればいい。
子どものころを思い出して
心のプリズムは、皆さんの中にも確かにあります。小さい頃の「電車が大好き」とか「プリンセスが好き」といった純粋な気持ち。シルバニアファミリーのフォルムの可愛らしさや世界観への共感。これらはまさに感覚そのものです。
言葉で説明しようとしても限界があります。新幹線が好きな子どもに「なぜ好きなの?」と聞いても、「緑色だから」「速いから」という答えしか返ってこないかもしれません。でも、それで良かったじゃないですか。「そうなんだね、素敵だね」という受け止め方で十分なんです。好きという感覚に、理屈は必要ありません。
このような心のプリズムをもう一度取り出して、世界を見つめ直してみる。それが、情報過多の現代を生きる私たちに必要なことだと、本気で思っています。